患者レポート

サムスカを長期服用した体験レポート

トルバプタンがADPKDの治療薬として世界で初めて承認されましたことを記念して、新たにサムスカ錠を服用する患者の皆さまに参考にしていただきたく、自身の治験体験談を投稿することにしました。服用によって、生活において困ったことや副作用のコントロール法についてご紹介させていただきます。

私は2007年から三年間トルバプタン第三相治験に参加し、その後継続治験にも参加しました。治験終了後は続けて先週からサムスカを服用しています。治験参加前は副作用があるなどの治験のリスクは理解していましたが、夫の賛成もあり、また当時は「時間に自由がきく仕事だったこと」、「病気の為に何かできることはないか」と前向きな気持ちで参加しました。

服薬

投薬前の検査は血圧、脈拍、体重、尿検査、MRI、心電図でした。MRIは息を30秒ほど止めなければならず少しつらかったことを覚えています。
投薬開始時は入院しなければなりませんでした。一周間目朝45mg 夕15mg、二週間目60/30 三周目 90/30と段々増やしていきました。朝と夕方の服用は9時間以上あけます。この間もその後の治験の間はいつでも薬の量は無理だと思えば減らすこともすべて中断することもできるとのことでした。

多尿との闘い

入院は服用前日から一日目と一週間後の増量時、そして2週間後の増量時の三回です。そのあとは1ヶ月に1回通院入院しなければならなりませんでした。
最初の服用の一時間後から尿量が多くなり、一日に4リットル以上ありました。初めの1ヶ月は45分から一時間毎にお手洗い行かなければなりませんでした。しかしそのうち段々症状が収まっていきました。現在は薬に慣れて一日3Lくらいの水分を摂っています。服用後3~4時間は1.5時間ごとにお手洗いに行く程度です。初めのうちは夜も1.5時間ごとにトイレに起きていましたが今は夜中起きることはほとんどなくなり服用前の状況に近くなりました。
症状が軽くなってくると仕事や出掛けるときは薬を早めに服用するなどの調整をすればあまり困る事はなくなりました。

困ったこと

やはり服用中、特に飲み始めの多尿が酷かったときの困った事としては旅行中や野外のレジャーに行ったときや仕事の時です。家族や周りに事情を話していても水が飲めない状況やお手洗いがない状況になることは多々あります。花見などに行ってもお手洗いに長蛇の列ということはわかっていたので服用し始めの年は断念しました。映画を観に行っても途中で席を立たなければいけないので端の席を予約していましたし旅行中などは水分補給(どこで水が買えるか)やトイレの場所の確認をしておく事が大事です。服用初期だと仕事中は特に会議などに出る場合は離席すると目立ちます。ただ単にトイレが近い人だとは思ってもらえない程です。電車でもトイレが無い電車では一旦下車することになるので出掛ける時間もその分を考慮して早めに出掛けなければなりませんでした。
初めの一年間はいくら水を飲んでも口が乾いている感じで甘いものを食べるともっと喉が乾くので甘いものが食べられませんでした。

治療薬への期待

クレアチニンは治験前0.7で現在は0.9くらいです。腎臓は小さくなっている感じはしませんが以前あった食事後の圧迫感は少なくなったと感じています。薬を飲まなかったらもっと大きくなっていたのかもしれません。
飲み始めて服用を中止した場合、どんな変化が身体に起こるのかということはまだわかっていないのでこの点は今でも不安です。治験と継続治験の間6ヶ月ほど中止しましたが、中止直後はめまい、体重増加、むくみなど体調不良を感じました。
PKDの治療に関して今まで「何もできる事がない」と言われ続けてきた患者にとっては(服用できないケースもありますが)、たとえ完治はできなくても初めて進行を遅らせる薬ができたということは嬉しい限りです。遺伝性の病気という点では、次世代への病気への気持ちの持ちかたや希望がもてるという点でかなり大きなステップとなります。また腎機能の悪化を遅らせることができれば透析患者も少なくなるかもしれません。
サムスカ錠の価格が安価になりたくさんの患者が服用できるようになれば良いと思っています。